この業界では
圧倒的な力関係を背景に不平等な契約や搾取が横行し、
タレント等は「業界」には逆らえず、
結果として泣き寝入りをするケースが大多数でした。
これまで、芸能・エンターテイメント分野では、所属事務所や広告代理店などの企業に対し、モデル・タレント・アーティストなどの個人の立場は圧倒的に弱く、法的なルールとはかけ離れた独自の「業界のルール」が支配していました。
しかし、
近年、このような「業界」にも徐々に法律の力が及び、
不当な扱いを受け、
不平等な契約によってがんじがらめにされていたタレントが声をあげ、
弁護士を伴って法的に争う事例も増えてきました。
著名な芸能人が契約の解除を求めて、所属事務所との間で裁判をしているというニュースもしばしば耳にするところです。
そして、法律業界、行政、裁判所の側でもこうした芸能関係のトラブルやエンターテイメントの分野を独自の法分野としてとらえる動きが盛んになり、今やスポーツ・エンターテイメント法は独立した法領域として分析・研究がなされています。